エルヴィスがくれた出会い A


ファン・クラブに入ってよかったことの一つは、
絶版で入手を諦めかけていた劇場版「エルヴィス・オン・ステージ」が手に入ったことだ。
ウェブ・サイト担当のコーキーさんが、ビデオの入手法を丁寧に教えてくださり、
間もなく、大阪のMさんが私にメールをくださった。
1本譲ってくださるということで早速購入。
親切なMさんは、エルヴィス映画を1本も観たことのない私に、
何本かの映画をダビングしたビデオまで同封してくださったのである。
やっと念願が叶い、
「オン・ステージ」を観た時は、うれしさと懐かしさと感動で一杯だった!

学生時代の私は、
エルヴィスが好きであるということを音楽仲間の誰にも言えなかった。
まわりのエルヴィスに対する偏見を、私が強く意識しすぎていたのかもしれない。
年を経て、あらためてエルヴィスの魅力を再認識した私の胸の中に、
この感動を誰かと分かちあいたい、大好きなエルヴィスについて語りあいたい、
という思いがつのってきた。

そんな矢先、ファン・クラブの会報が届き、
<EL PLAZA>の欄に載っていた「YUKIMIさん」の記事に目が留まる。
YUKIMIさんはエルヴィスを心から愛する筋金入りのファンであることが
文面一杯に表現されていた。
ラッキーなことに住所が書いてあり、それを見て驚いた。
「うちから車で15分のところではないか!」
手紙を書こうか書くまいか・・・だいぶ迷ったが、思い切って手紙を出してみた。
するとすぐに「感激しました!是非会いましょう!」というお返事をいただき、
4日後に近くのファミレスで初対面。
YUKIMIさんは、76年の最後のラスヴェガス公演を観に行き、
最終日にエルヴィスと握手をした人だとわかる。
初めて会う私のために、
エルヴィスの写真や資料を用意して待っていてくださった優しいYUKIMIさん。

それからは毎日のように連絡をとり、
ファン・クラブが主催した
8月17日の「ELVIS FOREVER IN ASIA」に誘ってくださった。
多分YUKIMIさんと出会っていなかったら、一人では参加していなかったと思う。
そこでYUKIMIさんを介して、たくさんのお友達ができた。
一緒にライヴを観にいってくださるOさんと出会えたのもその場所だ。
インパーソネーター<エルヴィスを尊敬し、エルヴィスになりきって歌う人>の
存在を知ったのもその時である。
その後、Oさんが誘ってくださった「銀座タクト」のELVIS NIGHTで、
オフ会の方々も含め多数の友人とめぐり会う。

福岡でエルヴィスの曲がいつも流れているお店
「Bar Graceland」を経営するSさんの紹介で、
エルヴィスと会って一緒に写真をとったという「SUZUさん」とも
メール交換をするようになる。
そのSUZUさんとは7月4日のジェームス・バートンのライヴで初めてお目にかかり、
もう一人の女性「YOKOさん」とは、
8月16日に原宿の「ラヴ・ミー・テンダー」でお会いした。

皆さん、とてもフレンドリーで親切な方ばかりだ。

そうした出会いの中、
エルヴィスの曲を一度でいいから演奏してみたいという気持ちになり、
6月28日「銀座タクト」でのライヴを企画。
もう一人のアイドル、B.B.キングの曲を一緒に演奏することは最初から決めていた。
エルヴィスとブルースを結びつけることは、私にとってとても自然なことであり、
また、きわめて深い意味があったからだ。

様々な想いを込めて行ったこのライヴは、忘れられない大切な思い出だ。
バンドのメンバーやたくさんの方々に支えられて、
このライヴができたことを今でも心から感謝している。

全てのきっかけは「エルヴィス」だった。
素晴らしい出会い、
そして再び私にBassを弾く機会を与えてくれたエルヴィス!